由一の鮭 ...

ようやく高橋由一展 (東京藝大美術館) に行けた.
平日にもかかわらず,それなりに入っていた.ほとんどがジジ,ババである.
明治前半期に活躍した油絵画家で,パリに留学して教育を受けた黒田清輝とはその作風がかなり異なる.まさに和風である.
日本史や美術の教科書に必ず載っている 「新巻鮭」 が3点並べて展示してある (3点のうち1点は,藝大所蔵の重要文化財).教科書によく載る藝大所蔵の鮭は,写真がやや彩度高めに印刷されていることが,実物を見ると分かる.実物を見て初めて分かるもう一つは,その絵のでかいこと.3点並べて展示するというのはまさに画期的なことである.



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    Fujifilm X10                                                       @Ueno Park





由一は,我が家から近い墨堤の桜なども描ていたりして親近感も持てる.
今回,楽しみにしていたのは,この鮭の比較展示と,カタログで見ていていいなぁと思った 「桜花図」 (金比羅宮所蔵)である.由一は,金比羅宮と関わりが深く,沢山の絵を寄贈している.その代わりに,絵の練習場建設の援助なども要請しており,その直筆書面なども展示されていた.

彼の絵は日本洋画史の上からは,江戸までの墨絵などの影響が色濃く残る,未成熟な洋画であるといわれているが,たくさんの作品を見ると,必ずしもそうは言えないと思えた.彼独特の画風であると考えた方がいいように思う.ただ,やはりきちんと西洋画法を学んでいないせいか,空間認識(構成)に?な部分のあることも認められる.

6月24日まで.それ以降はいくつかの都市を巡回する.


≫7月に写真展やりまつ馬耳東風
  (ギャラリー住所をクリックすると,アクセスなど分かります)












Al Martino / Spotlight on...Al Martino (Capitol,D111756)

Great gentlemen of song シリーズの一つ.
Bob Norbergの手によってリミックス,リマスタリングされており,よく仕上げられているコンピレーション.1995年リリース.

Al Martino は,1927年にフィラデルフィアで生を受け(両親がイタリアからの移民),1950年代にイタリア系アメリカ人のポップクルーナーとして活躍したが,ロックンロール全盛に押され消えていた.その後,1970年代に返り咲いて,映画「ゴッドファーザー」では,フランク・シナトラを模したといわれているJohny Fontane役で,結婚式で歌っている歌手として出演.これを期に再び活躍した.2009年に他界.

イタリアのテナー歌手という癖のない美声で,ラブソングを歌い,I love you because,Hush,Hush,Sweet Charlotte,Spanish eyes などのヒットを出し,ランキングチャート上位に食い込んだ.
正統テナーポップ歌手なので,ある意味面白みはないが,安心して聴けるし,上手い.
私は,彼の歌う,「Till」 が大好きだ.パーシーフェイス楽団がその後,取り上げて演奏しているが,これもよい.


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Commented by yuki at 2012-06-04 20:22 x
Neoribatesさん、こんばんは。
 なんとなく、ピンホールのような描写ですね。

  植田正治さんが目につきます^^。

  高橋由一展、 9月に京都に来ますね。 楽しみに・・・。
Commented by Neoribates at 2012-06-05 00:18
yukiさん,
ピント外して撮りました (o´_`)ノ マアマア
9月ですか.なかなか面白いですよ.お楽しみに.
藝大でやった中のいくつかはそちらには行かないようです.例えば,私の好きな手桶に入れられた桜花図なんか.
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by Neoribates | 2012-06-04 09:30 | X10 | Comments(2)

      ◆          画像は,クリックするとすべて拡大できま~す              


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