My favorite CDs... #1

最近どうもCDプレーヤー390SLに灯を入れる機会が少なくなった.時間的な余裕がないときにはばかみたいにがむしゃらに聴いていたのに,ゆっくり聴ける状況になったら聴く時間が減った.困難があればあるほどムキになるのは人の常のようだ.

ジャズは40代になってから聴くようになった.それまでにも聴いてはいたが,それほどご贔屓があったわけではない.おもしろいなぁと思うようになったのは,ケニー・バロンKenny BarronのCDに出会ってからだ.Resavoir盤のニューヨーク・ピアノ・シリーズのThe Moment(RSRCD 121).たぶん寺島靖国氏の批評をオーディオ誌で見たのがきっかけだったと思う.パーソネルはP/ケーニー・バロン,b/ルーファス・リード,ds/ビクター・ルイス.基本的にバロンのあのコロコロと玉を転がすような奏法とアレンジがたまらなくセンスが良く,乗れるのだ.2曲目のフラジャイル.スティングの名曲である.これがいい!コロコロはここではないが,哀愁を帯びた曲調を情感込めて弾くピアノを聴いていると涙が出てくる.また,ルーファス・リードのベースも涙ものだ.このひとのユニット,'タナ-リード'もいい.3曲目のバロン自作のサイレント・レイン.これをピアノ・ソロで聴かせる.バロンのオリジナルは,はっきり言って駄作が多いと思う.しかし,この盤に納められている全3曲は良い出来である.特に,このサイレント・レインはいい.ジャズじゃないぞみたいなことを言う人がいるが,要は旋律のできである.

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5D+Olympus Zuiko Auto-Macro 50mm F2

4曲目のスタンダード,I'm confessin' (That I love you).ピアノ・ソロでしばらく入り,bとdsが加わって進む.軽く弾む軽快なアレンジ.ケンさんじゃないが,イイネ!である.とにかく,この盤は他の曲も名演ばかりだ.よくジャズ初心者に何を聴いたらよいですかと聞かれるが,所謂ジャズ・ジャイアントと呼ばれる人たちを薦めることはしない.なぜなら,現代だってすごくすばらしいジャズメンがいるのだから.まして,あの古い録音は,聴くに堪えない.Resavoirではルディー・ヴァン・ゲルダーをエンジニアーに迎えて,イングルウッドの彼のスタジオで録音させている.しかもデジタルでだ.あのヴァン・ゲルダーがデジタル?と眼を疑った.これもプロデューサーFeldman氏の慧眼である.最後はスタンダード,How deep is the oceanで締めくくられる.ついでのことながら,この曲の最もすばらしい演奏は,トミー・フラナガンの確か遺作となった'Sea Changes'でのものだと確信する.
シンバルのシャイーン,カツーンを出したくて,インターコネクト・ケーブル,電源ケーブルと買い換えて楽しんでたものだ.ワイヤーワールドのゴールド・エクリプスが寺島氏はお奨めだったようだが,小生は現在ではShunyataのものを使っている.

写真の真ん中は,バロンの'The Only One (RSR CD 115)'.同じくResavoir.こちらは前述の盤より1年前の録音.b/レイ・ドラモンド,ds/ベン・ライリー.こちらも好演ぞろい.

写真一番下にあるのは,'Chad Lawson Trio'(こういうタイトルです) .パーソネルは,p/チャド・ローソン,b/ロン・ブレンドル, ds/リック・ディオール.Nutzhorn Publishing (CLT 1400). たぶん自費出版だと思う.写真をみると20代中盤くらいの若々しい顔をしている.この手の盤によくあるが,録音データはない.おそらく1998年ころだと思う.これは完全なジャケ買いというやつである.もうこれまでに星の数ほどジャケ買いはやっていて,まさに博打である.学費をだいぶ払いました(T_T).それでもジャズでは打率4割くらいはいっているから良い方ではないかなぁ~.このときも当たり!であった.この盤は全曲チャド・ローソンのオリジナルである.どれもいい.ビル・エバンス→キース・ジャレットの流れの人である.ただし,キースほどキースしてないのでいいのじゃないかな.瑞々しい感じがよいし,「間」,「音」,「静寂」を楽しませてくれる.全部で6曲しかないが,堪能できる.2曲目のRed couchが好きである.その数年後に彼はもう1枚出しているが,こちらはあまり小生の趣味には合わなかった.
Commented by noyan at 2006-03-08 09:19 x
ジャズは20歳位から5年程はよく聴いていたのですが、チャーリークリスチャンからロバートジョンソンに流れたのがきっかけでブルースばかりになってしまいました。ジャズをよく聴いていた頃を回想すると、印象に残っているのが、スティーブレーシー、ジミースミス、MJQ,ローランドカーク、チャーリークリスチャン、ジェイムスブラッドウルマーあたりでしょうか。最近ブルースもネタが尽きはじめ、ジャズに回帰してみようかと、この記事をみて思った次第です。
Commented by Neoribates at 2006-03-08 11:39 x
やはり二十歳代くらいからお聞きになってるんですね.小生はそのころバロック音楽とコンチネンタル・タンゴ漬けでした(;´Д`)
ジミー・スミスのあのグルーブ感はいいですね~晩年のあんな歳までレコーディングしてましたね~,すごいパワーですよ.あのパワーホスゥイ~
Commented by kinoplasmat at 2006-03-09 01:01
ご隠居、OMマクロありがとうございます。結構こってりとした写りですね。OMは軽くてよかったですね。マクロは使ったことないですが、人生で最初に買った一眼レフがOM-2で、奈良京都の仏像や薬師寺の塔の夜明けなどを撮るのにダイレクト測光2分など、本当に便利でした。
私は10代のころまだ日本ではほとんど知る人のいなかったピーターガブリエルに凝って、GENESISの曲を仲間とコピーして演奏してました。楽譜もなくて苦労したのがいい思い出です。現在はやはりJAZZが多いです。SAXののりのいいものが好きですね。
Commented by minton at 2006-03-09 10:46 x
noyanさん、初めまして。チャーリークリスチャンをご存知でしたか。ぼくのハンドルネームは彼の「ミントンハウスのチャーリークリスチャン」から来ています。高校生の頃聴いていました。もう35年も前です。ロバートジョンソンとはまたしぶい。ブルースでは神様ですが一般うけしないですよね。でもかっこいい。クロスロードはライクーダーの演奏が好きです。

今日は、ReMさん。
昨日は築地、銀座から浅草をちょっとだけ回りました。
ReMさんは浅草近辺ですか?次回は連絡します。
ぼくは大学時代にJAZZをやってたので、そのころのJAZZしか知りません。昨日も銀座でブルーノートの6枚入りCDをゲット。しばらくは愛車の音楽はJAZZになります。
Commented by Neoribates at 2006-03-09 13:49
mintonさん,
みなさんジャズを演奏していたという経歴があるんですね.小生はただ聴くだけです.どうも若い頃は理解できなくて...
浅草までは電車だけで15分くらいのところに住んでますので,機会があったら撮り歩きでもしましょう.
Commented by Neoribates at 2006-03-09 13:55
kinoさん,
OMは2で大学出てからしばらく研究の関係からもフィールドに持ち歩いてました.小型,軽量,そして高性能のエポックメイキングのカメラです.4は製造中止になるときに購入して冷凍休眠させてました.昨年,サービスにOHさせましたが,モルト好感だけで済みました.昨年,上洛した折りに新品の24mm,100mmマクロ,100-200mmを格安でゲットしました.
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by Neoribates | 2006-03-07 22:45 | 5D | Comments(6)

      ◆          画像は,クリックするとすべて拡大できま~す              


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