気更来日記(10)...












13日の午前2:50にNHK BS3で放映された「KARAJAN The Second Life」は大変興味深いドキュメンタリーだった(2012年製作.DVDで市販されている).
カラヤンが演奏のレコーディングにかける情熱と,それ故の細かい拘り,これに関わるエンジニアたちの話が面白かった.数年前にすでに一度放送されているが,見逃していた.
勿論,カラヤンの秘蔵っ子,アンネ=ゾフィー・ムター初め,ベルリンフィルの楽団員たちの話も興味深いものだった.





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   Leica M+Nokton 50mm F1.5 Aspherical








特段にカラヤンが好きというわけではないが,彼の録音にかける思い,感心には他の指揮者にないものを感じる.
「死後,25年経ってまた蘇り,すべての曲の再録を最新器機で行いたい」と彼は話していたという.録音技術,器機にも好奇心が旺盛で,だからこそCDが誕生したとも言える.
ライブに適した曲と録音だからこそ生きる曲のくだりや,トーンマイスター自身の口から話されたEMIでの無指向性マイクによるワンポイント録音と,グラモフォンによる単一指向性マイクによるマルチマイク録音による効果の違いなども披露され,へぇ~と感心.EMIのレコーディングエンジニアのギューリッヒが,録音では原音再生はできないと述べているのも見逃せない.

彼の最後の演奏会(ウィーンフィルでした)でのブルックナー交響曲7番を振り終えたカラヤンが腕を前に伸ばしたまま15秒間身動きせず,力尽きて指揮棒を落とし崩れ倒れたというエピソードも演奏していた楽団員から披露された.
このCDはデキから言えば,しかたないのだがカラヤンの演奏とは言えない.
カラヤンは演奏後の夕食は質素で,煮リンゴとビールのみということが多かったとか.

カラヤンの死は,自宅でソニー社長の大賀典雄氏と商談をしていたときに心臓発作で倒れ,大賀氏の腕に抱かれて迎えたというのは有名な話だ.

The first life とは実際の演奏でのカラヤン,The second life とはレコーディングされた媒体でのカラヤンということ.

写真は松田町西平畑公園の河津桜と市街地.






Commented by minton at 2017-02-19 19:27 x
その番組見ておりません。再放送録画を狙ってみます。
NHKはドラマや音楽番組など、飄々と興味深い番組を作り続けてますね。
カラヤンが録音にそこまでこだわりがあったとは知りませんでした。
グールドも再録音したいのかもしれません。
モータウンのレコーディングの音質がよくないので、彼らにも再録音させてみたいですが、録音の質にこだわりがない彼らですから、そんなことも望まないかもしれないですね。
Commented by Neoribates at 2017-02-20 03:08
mintonさん,
そうですね,再放送やると思うのですが.
一般に発売されているDVDで,NHK製作ではないですが,テーマがなかなか興味深いもので面白かったです.
カラヤンの緻密に練り上げられた楽譜読み,各楽器の音の大きさ,出方の一つ一つにトーンマイスターへ注文を付けるなど,エンジニアはけっこう大変だったみたいです.
ライブとは違う,レコード芸術としての録音を彼はしっかりと考えていたのが分かります.
ええ,モータウンはたしかに酷い録音ですものね.安上がりに新人を囲い込んでどんどん量産していって大きく成長した会社.まあ,録音に拘っていなかったのも分かります.シュープリームスのベスト盤がSHM-CDでリマスタリングして出てます.ハイレゾ化して配信もしてますね.果たしてどのくらい良くなったのか.
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by Neoribates | 2017-02-19 03:13 | Leica M Type 240 | Comments(2)

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