元月日記(15)... 五島みどり-バッハ/無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏
2017年 01月 31日
29日0:00からのNHK BS3 プレミアム・シアターは,五島みどりさんのバッハ / 無伴奏ソナタ&パルティータの全曲演奏を放映していた.久しぶりの五島みどりさんのバッハ無伴奏を聴いた.
しかも,バッハゆかりの地であるドイツ ケーテン城での演奏.これは意義深い.
もともとNHKとAccentus Musicとの共同企画で,発売を目途に2016年8月8日~11日に収録した作品.各地を演奏ツアー中での録音らしい.
2017年の春にはこの DVD(5.1ch)が Accentus Music (日本ではキング・インターナショナル)から発売されるようだ.その前景気を煽るための放送のようです.
キング・インターナショナルのクラッシック担当の方に聞いても近々のCDでの発売は交渉はしているが,ないだろうとのことでした.
EPSON R-D1+Nokton 50mm F1.5 Aspherical
1717年8月,アンハルト=ケーテン侯爵レオポルトがバッハをケーテンの宮廷楽長に招聘し,彼は6年ほど滞在した.ブランデンブルク協奏曲や無伴チェロ組曲などをここで作っている.
ほとんど人通りがないケーテン城周辺の町並み.そこを五島みどりさんがいつもの飾り気の無い格好で愛器1734年製グァルネリ・デル・ジェズ “エクス・フーベルマン” を背負って歩いてくる.これも印象深い画だ.
ケーテン城の外観は写真などで見ていたが,綺麗な映像で室内を見るのは初めて.ほとんどの曲は木のフローリングと美しい壁紙に肖像画が架かった部屋で演奏された.この部屋は華美ではなく,どちらかというと質素だ.お城にしては,意外なほど残響は少なかったように聞こえた.その中での演奏は意味のあることで,なかなか貴重なものだ.
後半大詰めは,ソナタ2番は床が大理石の部屋で,最終演目のパルティータ2番は演奏ホールで収録された.
さすがにこの2曲の演奏は,響きがこれまでの部屋と違って豊で包み込む雰囲気だ.
部屋ごとの音の違いを楽しむのにも良い.五島みどりさんも似たようなことを語っていた.
「バッハの曲は,解釈の幅が広く,突き詰めれば突き詰めるほど奥が深い」と語った最後のインタビューが印象深い.
彼女の無伴奏の全曲録音は,かつて2015年にOnyx Classic(英国)からリリースされたCDのみ.
CDでの演奏のようなちょっと多すぎる装飾音はほどよく削っていた.幼少期からバッハの音楽に包まれて育った,とインタビューでよく語っているが,そんな自家薬籠中の演奏と言うべきなのだろう.演奏中は演者をずっと撮り続けた2時間40分ほどの長尺放送だった(カット編集はあり).
by Neoribates
| 2017-01-31 02:25
| Leica M Typ 240
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