奈良,待望のI-lungaへ ...







奈良の紅葉は京都よりも発色が良くなかったように思う.もちろん場所にもよるのだろうが.
見事な枝垂れ桜のある氷室神社の裏手にある吉城園.ここの苔庭はシンプルだけど紅葉とのコントラストが大変によい.今年はやや終わりかけていたが,堪能できた.

京都に居すぎて,奈良に着いたのが16時をまわっていた.吉城川や戒壇院,奈良公園を歩いたぐらいで奈良ホテルにチェックイン.夕食は楽しみにしていた東大寺にも近いリストランテ I-lunga (イ・ルンガ)へ.





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      M9+Summilux-M 50mm F1.4 Asph. LHSA







奈良でミシュラン一つ星を獲ったリストランテ.
地元食材をふんだんに使った料理が評判らしい.







夜のプリフィックスのメニューは2種.
ハレの日メニューにする.
武家屋敷を改造したリストランテで,内装もシックで期待をさせる.
テーブルに案内されるとフィンガーフードと称した自家製グリッシーニに生ハムを乗せたものが供される.
注文を聞く前に.? まあ,グリッシーニは不味くも美味くもなく,普通.生ハムは人によっては?となるかも.
香りがない.

■Fishy
前菜の一品目としてバケットにキハダマグロを乗せたカルパッチョ風がでる.
??? マグロを口に入れると,妙に魚臭い.

カメリエーラにこのことを告げると,驚いたようにして,「上にあげておきます」とのこと.
他のテーブル(全部で6席)を見ると,若いカップル,40才前後の旅行客風,香港あたりからの中国人らしき客,東京の(?)おばさま4人組... など多種多様.カメリエーラが愛想良く客としゃべっている.どこの席でも客が店がわをやたらとヨイショしている風に聞こえる.


■He comes
前菜が三種出てきたが,その間にシェフの堀江さんがテーブルに挨拶に来た.
「マグロの臭みについてお聞きになりました?」と問うと,「いえ,そういう話はまったく聞いておりません.確認してきます」と,厨房に引き返した.暫くすると,マグロを三切れ皿に載せて戻ってきた.「正直申しまして先週土曜日に仕入れたものです(訪れたのは火曜日).アミノ酸を増やすためにしばらく寝かせます.それで,魚臭くお感じになったのではないでしょうか?」とのこと. ” 正直言って...” という枕詞は,” 寝かせること ”という言葉とは整合しないと感じたので,「熟成したものを何度も食べてますが,これほど魚臭くはないですよ.温度管理がどうなんでしょうか?」と言ってもそれ以上の説明はなかった.これ以上話してもしかたないので,「もう結構ですよ」言うと,そのまま引き上げた.これにも「えっ?」だ.


■Truffe
その後の料理が出てきたが,そこにたっぷりの白トリフュが載っていた.
カメリエーレの話では,「シェフがお詫びの印として,たっぷりとトリュフを加えさせていただきました」とのこと.しか~し!このトリュフ,なんの香りもしない!! あのスパイス系の絶妙な香りが一切しない.私の嗅覚が壊れたの? と疑ってしまった.これは何? パサパサの鉋屑? もう,これは嫌みで出したものとしか思えなかった.どう考えても,食材の温度,品質管理がまともになされていないことを,このトリュフで証明してしまったようだ.これが一つ星... 温度,品質管理ができてない飲食店って最悪です.


■Pane
更に追い打ちをかけるような品が...  カメリエーレが「焼きたてのパンです」と言ってパンがサーブされた,フォカッチャ,ブリオッシュ,クルミ入りのカンパーニュっぽいパンの三種である.
フォカッチャはこれまで食したどのフォカッチャよりもボソボソで,うま味のない,もちもち感なぞ皆無のしろもの.ブリオッシュに至っては,私の皿と連れの皿のものが,まったく食感が違うのですよ!「ブリオッシュでございます」と言ってサーフしてたよね.と連れと話す.しかし,それは,カチンカチンの何というか,2日経ったバケットのような堅さの物体.どう見てもブリオッシュではない.このことを水をつぎ足しにきたカメリエーレに言うと「焼きがまに置いた位置が悪かったようです.スミマセンお取り替えします」とのたまわった.「いや,置いた位置じゃないでしょ」とツッコミを入れたかったが,ホトホト疲れたので,もういいからと,追い払う.
”焼きたて” のパンのはずが,しばらくするとボソボソ,カチカチなるということは,単なる温め直し.しかも,その暖め方がやり過ぎているものだから乾燥しすぎたのだ.初歩の初歩のことじゃないのだろうか
┐(-。ー;)┌ヤレヤレ
ものはちがうが,別の日にウエスティン都京都のメイフェアで食べた,スコーンのあの粉の香りがする外側カリッ,内側適度なしっとり,モチチ感のその味と比べてしまった.



■Too many ...
食事を終えた別のテーブルの客は,「こんな幸せな時間を持ててありがとう!」などと,歯の浮くような言葉をカメリエーレに投げかけている.そう言う客にはしばしばカメリエーレはご機嫌伺いに話しかけに行っていた.
給仕係のサービスにも問題が: 「能書き」が長すぎるんだよ! 料理の説明をやたらと長くする.因みに連れが時間を計ったら,1分ちょっとやったものもあった.パスタがでたときにもだらだら話しそうになるから,あたまにきたので,話し始めたパスタをサッサと食べ始めた.すると,一瞬,しゃべりを止めた.こんな客はいなかったのだろう.ご託宣を神妙に聞き入っている客ばかりのようである.アフォか! 料理を不味くして何が説明だ.


■Result
とにかく,こう言っては叱られるが,やはり「田舎のリストランテ」なんだなぁ,という感想しか持ちませんでした.イタリアで修行してそのリストランテを一つ星にしたウデをもつシェフ.帰国し,西麻布「ラ・グラディスカ」で腕をふるい,そこを辞して奈良の地に理想とする店を構えた堀江シェフなのに... 一つ星を獲ってからは,忙しくいろいろしているから,厨房もおろそかになっているのかなぁ~ という関係者の声をその後,聞きました.
そうそう,味の話ですが...私には,なんともおおざっぱな味としか思えません.
メインのトリッパの詰め物煮込みは美味しかった.
口直しのジュレと自家製ヨーグルトはまさに口直しに良かった.このヨーグルトはこくもあって評価できる.
連れのメインの魚料理に出されたソース.ウニソースとアワビの肝を使ったソース.どちらもその味,香りが感じられない.ずっと置いておいたように新鮮さがない.
せっかく奈良という地に構えたのですから,海から離れた立地も考えて,もっともっと大和野菜や地元食材を出してもよいのではないだろうか.不味い魚貝類なんかを出すよりも.たしか,地元食材に惹かれてここに居を構えたはずなんじゃなかったのかなぁ
┐(-。ー;)┌ヤレヤレ

それと,給仕のあのやたらと長い能書き口上はやめてほしい.「おまえはこんなの食べたことないだろうから,教えてやる.有り難く拝聴しろ」的長台詞.東京式サービスとは明らかに違う.

会計の時に,「税,サービス料は不快な思いをさせたので,頂戴しません」と申し出てきましたが,「値切るのを目的に,クレームをつけたように思われたら嫌だからちゃんととれ」と言って支払って宿に戻った.
まあ,二度と行くことはないでしょう.
Commented by rogan-since2005 at 2011-12-04 16:03
こんにちは。

京都、奈良は堪能されましたか?こちらは今頃になって
紅葉してきました。紅葉は11月ではなく、12月のよ
うですね。ただ、あっという間に終わると思います。
Commented by Neoribates at 2011-12-04 19:05
roganさん,
こんばんは.
気温の高いのがやはり祟りましたね.すこし残念でしたが,年々と発色の低下がかんじられるので,ある意味慣れました ヽ(´~`; ォィォィ ほんと,秋がなかった感じですよね,今年は.
Commented by yuki at 2011-12-04 19:54 x
Neoribatesさん、こんばんは。
 一つ星、サンザンでしたね。
   鹿さんがごめんね、 と・・・。
Commented by Neoribates at 2011-12-04 23:59
yukiさん,
こんばんは.
どうもいけませんでした.星をとってなお引き締まる店と,そうでない店があります.
鹿の画は少し出し方を変えました.
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by Neoribates | 2011-12-03 19:14 | Leica M9 | Comments(4)

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